令和3年夏 花火入門
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21 (9)日本の打揚花火の特色 日本の花火、特に代表的割物花火「芯入菊花型花火」は、世界で最も精巧で華麗な花火といわれており、以下の三点が最大の特徴です。 1.真ん丸く大きく整然と開花する。 2.花弁の一つ一つの星が変化(変色)する。 3.同心円に二重、三重の芯を重ねることができる。 日本の花火玉の形状は球形ですが欧米の玉は基本的に円筒形。中に入る星も日本は球状、欧米は円筒状です。日本の星は昔の飴菓子の変わり玉のように、異なった色の火薬を重ねます。欧米では火薬をプレスして固めるのが一般的です。 日本の花火は次ページの図のように球形の玉たま皮がわ(容器)の中に星を球状にならべ、中央に割わり薬やく(割り火薬)をつめ、玉皮の外周を丈夫な紙で何周も貼り固めて仕上げます。中央の割り薬の威力と紙の貼り具合とのバランスが取れていることにより、星は均一に飛び散り真ん丸く開花するわけです。この紙の貼り具合が均一でないと、丸く開かず、いびつな形の花になります。

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