令和3年夏 花火入門
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31 3.おもちゃ花火に関する法的規制と当協会の安全基準 子どもの成長において、おもちゃ花火が担っている役割には、無視できないものがあります。美しく変化する五彩の光、くるくる回るねずみ花火から分かる回転の動き、飛翔ひしょうするロケット花火の原理など、さまざまな事象を教えてくれるとともに、家族のコミュニケーションにも役立っています。 しかしながら、最近は子どもたちの遊び方も変わり、ゲームなどに熱中して外遊びが少なくなったり、危険だという理由で親が子どもに花火をさせない例もあるようです。暑い夏の一夜に親しい人が集まり、花火を通じて楽しいひとときを過ごすことも大切ではないでしょうか。 おもちゃ花火の販売は、早いところでは5月の連休ごろから始まり、夏休みに入り8月の旧盆ごろにシーズンが終わるのが以前の例でした。しかし、最近ではこの流れが変わり、9月になっても商品が動くなど、販売期間がずれているようです。これは夏の猛暑を避け、初秋のころに花火遊びを行う傾向もあるようです。 子どもを主な消費者とするおもちゃ花火は、特にその品質を高める必要があるのはもちろん、誤使用のないように業界をあげてさまざまな啓発活動(詳細は後述)に努力しております。 おもちゃ花火は、「火薬類取締法施行規則」によって、薬量や形状、およびその構造上の基準などが定められています。これは昭和35年(1960年)の法改正の際に定められたもので、当協会では、それに加えて消費者の安全を図るため、自主的におもちゃ花火の安全基準を制定しました(35ページ参照)。さらに、「がん具煙火検査所(現在は検査所という)」を昭和52年(1977年)に設立し、“基準検査(法定基準)”と “安全検査”を実施しております。当初東京都府中市に建設された検査所は、昭和63年(1988年)から愛知県豊橋市に移転し、年々設備を充実して、国内産はもちろん、輸入品についてもすべて厳格な検査を行っています。

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